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ニュース・トピックス

江戸川区教育委員会 小学校道徳教科書 “教育出版”を採択‼
2017-08-28
 江戸川区教育委員会は8月22日の委員会で小学校道徳教科書の採択を行いました。教育委員全員の賛成で教育出版の教科書が採択されました。
 
  執筆者に「つくる会」系の人物が含まれており、内容には安倍政権がめざす「国家のための人づくり」の方針が色濃くあらわれています。これは教育の政治からの独立性を著しく損なうものです。
なぜ、8社もある教科書の中から、教育出版を採択したのか、区教委の姿勢を問わなければなりません。
この教科書の問題点を俵さん(教科書ネット21)の文章から、以下、引用します。
「戦後はじめての道徳教科書の検定ということで、各社が不合格を恐れて「安全運転」教科書をつくり、同じ題材を多用していることも特徴です。しかし詳細に見ると、8社の中で教育出版の教科書には、次のような点で、他社と異なる異様な内容が含まれていると考えざるをえません。
 
①  2年生で扱っている「国旗・国歌」が他社と比べても異常に大きく偏った取り上げ方をしています。「君が代」の歌詞の説明が「日本の平和が長く続くようにとの願いだ」と虚偽の説明をし、君が代斉唱時の起立・礼の行動まで写真入りで指示しています。オリンピック・パラリンピックで使われる旗や歌は選手団の旗・歌(オリンピック憲章)なのに、これを意図的に混同して「国旗・国歌」と記述しています。
 
②  5年生の教材「下町ボブスレー」で安倍首相の写真をあえて載せ、5年生の「一人はみんなのために・・・」で元ラグビー選手を扱った教材で東大阪市の野田市長の写真も載せています。どちらも掲載する必然性のない写真です。中学校歴史教科書採択の時、安倍首相は「育鵬社版がベストだ」といって採択を支援し、東大阪市長は育鵬社教科書を採択しています。このような形での現役政治家の教科書掲載は、「義務教育諸学校教科用図書検定基準」の「第2章 教科共通の条件」の2の「(8)特定の個人、団体などについて、その活動に対する政治的又は宗教的な援助や助長となるおそれのあるところはなく、また、その権利や利益を侵害するおそれのあるところはないこと」に明白に違反し、教育の政治的中立を侵す重大な問題です。
 
③  教育出版だけが、道徳のお手本にするべきとして紹介する人物に、経済界での成功者を多く掲載しています。豊田喜一郎、松下幸之助、本田宗一郎、山葉寅楠などです。これまで社会科や国語・理科などの教科書では、上記検定基準の「(7)特定の営利企業、商品などの宣伝や非難になる恐れのあるところはないこと」を根拠に、特定企業名の掲載は必ず検定で禁止されてきました(例外は育鵬社公民教科書)。それと矛盾するものであり、検定の恣意性の結果です。
 
④  「正しいあいさつのしかた」を小学校1年、2年と続けて指示しています。子どもたちの行為、行動を型にはめる規制・強制が至る所に強く出ています。また、「どれが正しいおじぎのしかたか」など、戦前の修身と同じようなおじぎをさせる「しつけ」・「礼儀」の教材が多く取り入れられています。育鵬社教科書を2011年から採択している武蔵村山市には後述する貝塚茂樹氏が道徳教育の指導に入り、「徳育科」を設けて「しつけ」や「礼法」を実施していますが、その内容が教科書に盛り込まれています。」

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